新型インフルエンザに備えて
「新型インフルエンザA」(ブタ由来インフルエンザA/H1N1)の流行が、4月24日、メキシコで発表されて1ヵ月。世界46ヵ国に広がり、5月23日現在で感染者は1万2000人を超え、90人の死者が出ているという。日本国内でも5月半ばから神戸など関西を中心に一気に感染者が増え、東京など関東圏にも飛び火して、300人を超えるまでになっている。若い世代への感染が特徴だが、今のところ毒性は強くなく、治療薬もあることから、関係機関では冷静な対応を呼びかけている。新型インフルエンザに備えて、予防などのポイントをまとめた。
かかったかな?と思ったらまずは電話相談を
38度以上の発熱やせきなどの症状が出ている人は、病院に行く前にまず最寄りの「発熱相談センター」などへ電話相談を(毎日…土・日・祝・祭日も受け付けています)。
▼厚生労働省の相談窓口【TEL】 03―3501―9031(毎日、午前9時~午後9時)FAX03―3501―9044
▼道庁健康安全室【TEL】 204―5253(毎日24時間対応)FAX232―2013
▼札幌市保健所感染症総合対策課【TEL】 622―5199(毎日、午前9時~午後9時)
▼江別保健所【TEL】 383―2111(毎日、午前9時~午後9時)
▼千歳保健所(北広島市担当)【TEL】 0123―23―3175(毎日、午前9時~午後9時)――
症状は…?感染予防は…?生活は…?
主な症状は、鼻水や鼻づまり、のどの痛み、咳(せき)、頭痛、筋肉痛、悪寒・熱感、38度以上の発熱など…。嘔吐(おうと)や腹痛、下痢などの症状も報告されている。
先ごろ京都市で感染が確認された10歳の男児は39度を超える発熱のほかに嘔吐(おうと)や腹痛の症状が出て、当初感染性胃腸炎が疑われたが、検査で新型インフルエンザの感染が確認された。リレンザの投与により容態は安定化したとされている。
新型インフルエンザのウイルスがうつるのは、「飛沫(ひまつ)感染」と「接触感染」の2つの経路。
飛沫感染は…患者の咳、くしゃみ、つばなどの飛沫といっしょに出されたウイルスを吸い込むことで感染する。接触感染は…患者が、くしゃみや咳のしぶき
鼻水の付いた手で触った場所にはウイルスが付着することがあり、後でそこに触ってウイルスが付着した手で目や鼻、口などを触れることで、粘膜などからウイルスが体内に入り、感染する。
新型インフルエンザはなぜか若い世代で感染が拡大しているのが、世界的な特徴。中国発祥の鳥インフルエンザ変異とされる1918年~19年大流行のスペイン風邪=日本では5700万人感染39万人死亡とされる=から、香港から発生し57年に大流行したアジア風邪=同300万人感染5700人死亡=までの間に、ウイルスの小規模な変異に呼応して、57年(昭和32年)以前に生まれた人の一部に、免疫が取得されている可能性があるとの、米国の研究所の指摘も5月下旬に報道された。
基本的には「新型インフルエンザは誰も免疫を持っていないため、感染が拡大しやすく、多くの人がかかることが考えられる」(厚生労働省)ことから、大流行を防ぐために、人ごみでのマスク着用や、外出後のうがい、手洗いの徹底、また、人に感染させないための「咳エチケット」などの気遣(づか)いが、感染予防の決め手になるという。
【咳エチケット】
咳やくしゃみの飛沫は1~2m飛ぶため①咳をする時できれば周囲の人から離れる。そして②ティッシュなどで口と鼻を押さえ、周囲の人から顔をそらす③使用したティッシュは、すぐにゴミ箱に捨てる④その後、口を押さえたり鼻汁や痰(たん)に触った手は、すぐに消毒用アルコールやアルコール入りウェットティッシュで拭き、できるだけ早く手洗いもする。手洗い前は不必要に周囲に触れない⑤咳、くしゃみが出たらマスクをする。家庭や職場でそういう人がいたらマスクをすすめる――。
【家庭でできる予防対策】
①マスクをつける(不織布製マスクがより有効という)②手洗い、うがい(手洗いは石けんを使って15秒以上かけ、指先や指の間も念入りに、親指も忘れずに。洗った後は清潔な布やペーパータオルなどでふき取る)③規則正しい生活④充分休養を取り、抵抗力を高める⑤バランスよく栄養を取る⑥乾燥を予防し、換気を充分に⑦持病の治療をきちんとする。
【備蓄品を2週間分ほど】
①長期保存が可能な食料品などを(米、パックご飯、乾麺類、コーンフレーク、レトルト食品、缶詰、ミネラルウォーター、育児用調製粉乳、各種調味料など)
②日用品・医薬品など(マスク、体温計、ゴム手袋、水枕、漂白剤、消毒用アルコール、常備薬〈胃薬、痛み止め、その他持病の処方薬とお薬手帳〉、絆創膏、ガーゼ、ウェットティッシュ、洗剤、石けん、シャンプー、リンス、紙おむつ、生理用品〈女性用〉など)―を用意していると安心。
ただ、それほど大騒ぎすることはなく、ついでに少しづつ備えるくらいの心の余裕を持ってどうぞ。
治療薬は「タミフル」と「リレンザ」
治療薬は、感染して初期(2日以内)に効果があるとされる抗インフルエンザウイルス剤の「タミフル」(飲み薬)と、「リレンザ」(吸入粉末薬)。水で溶いて使用するドライシロップなど、幼児・小児用の薬も出ている。「タミフル」については、因果関係は不明とされているものの、10歳以上の未成年者に異常行動などの危険性が指摘され、年齢により使用が差し控えられている。
政府ではタミフル、リレンザの充分な備蓄(5月現在約3800万人分)をすすめているため、不足の心配はないという。安易な個人輸入や個人間での融通のし合いはきわめて危険で、医師の処方、指示に沿った服用をするように厚生労働省では呼びかけている。
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