子守歌 (
)土間の明かり取りから差し込む朝日の光の帯の中に、微細な埃(ほこり)が浮かび漂っている。底の丸みで揺らせるように作られた“えんじこ”(嬰児籠=中にワラなどを敷いた赤ん坊用の育児かごで散歩人の家ではえんじ色の木製だった)の蒲団にくるまって、光の中にゆらゆらと浮く微粒子を見ていた記憶がある。遠くに大人たちの立ち働く声がする。近くを家事をするオンバア(祖母のことをこう呼んだ=おそらく「御婆」…オンバ・オバ)の足音が通る。赤子はその気配に包まれて、うとうとと微睡(まどろ)んでいる…。
土間の明かり取りから差し込む朝日の光の帯の中に、微細な埃(ほこり)が浮かび漂っている。底の丸みで揺らせるように作られた“えんじこ”(嬰児籠=中にワラなどを敷いた赤ん坊用の育児かごで散歩人の家ではえんじ色の木製だった)の蒲団にくるまって、光の中にゆらゆらと浮く微粒子を見ていた記憶がある。遠くに大人たちの立ち働く声がする。近くを家事をするオンバア(祖母のことをこう呼んだ=おそらく「御婆」…オンバ・オバ)の足音が通る。赤子はその気配に包まれて、うとうとと微睡(まどろ)んでいる…。